東京の街を歩き回ることがぼくの日課でもある。長い時間のときは3時間、4時間、休みなく歩き続ける。10分、15分ぐらい近所を歩くだけのこともある。電車に乗って行き当たりばったりで駅で降りて、そこから目的を決めずに歩くこともある。必ずカメラを持って歩く。カメラなしで歩くことはあり得ない。
フットワークよく軽快に歩くために、カメラやレンズは必要最小限にとどめている。だからレンズは、望遠でも広角でもマクロでも、たった1本でまかなえる高倍率のズームレンズをカメラに付けっぱなしにして歩くことが多い。
そうして撮影していたものの一部がこの写真で、春から夏にかけて東京の街角で出くわした木々や草の緑をテーマにしたものだ。ビルや高速道路が混在する大都会の東京だが、ふと視線を変えてみるだけであちこちに溢れるばかりの緑が息づいている景色に出会う。美しく整備された緑ではなく、ときには人工的な嘘っぽい緑もあるけれど、大自然の緑に負けずとも劣らぬ力強さとキッチュさもあって、そうした景色を見るたびに、ぼくはずいぶんと心なごませられる。